デジタル ワーカーの未来:知識と知見

Colin Redbond: コリン レッドボンド

The Prismのこのエディションでは、まず、RPA(ロボティック プロセス オートメーション)が進化し、新しいデジタル ワーカーが現れ始めている中で、

the-prism-logo-300-1.png今後不可欠になる能力をいくつか検討します。デジタル ワーカーがこれからどのように発展するかを考える際は、このような能力を何らかの形で分類して「人間らし

い」特性を与えることが、理解の助けになります。Blue Prismでは、このような特性を「デジタル スキル」と呼んでいます。

ここでは、デジタル ワーカーを人間の代替要員として考えようとしている訳ではありません。むしろ、デジタル スキルは、デジタル ワーカーが将来の職場組織に不可欠な要素となるために必要な条件であると言えるでしょう。デジタル ワーカーは、少なくとも一緒に仕事をする人間の作業者と同様のスキルを発揮できなければなりません。

本記事で検討するデジタル スキルの第1のカテゴリは、知識と知見です。

私たち全員が毎日行っているタスクを思い浮かべてください。たとえば、電子メールの処理などです。構造が一貫していて、処理方法を左右する予測可能なルールがある電子メールはどれだけあるでしょうか? おそらくほとんどないでしょう。皆さんは自覚こそないものの、実行する一連の行動を適切に決定するために、次のようないくつかの認知タスクを行っているはずです。

  • 脳は長年にわたって習得した知識を使いながら、電子メール内の構造化されていないデータを処理しています。これには母語の理解が必要ですが、ほとんどの場合、業界や業務について皆さんが持っている「分野固有」の知識もある程度必要です。
  • 皆さんは電子メールのテキストから、キーワード、文、感情を無意識的に読み取り、そのメールが重要かどうか、ポジティブな内容かネガティブな内容かを理解して、それに対して取るべき行動を判断することができます。優先して対応するか、後で処理するか、それともゴミ箱に入れるかを即座に判断しているでしょう。
  • 場合によっては、適切な行動を判断するために、補足情報を参照する必要もあるでしょう。たとえば、請求の経緯を理解するのに役立つレポートやデータなどです。

このような事実は、デジタル ワーカーとデジタル スキルにどう関係するのでしょうか?

Blue PrismのクラウドAIプラットフォームとの構築済み統合機能

まず、言語の問題に対処しましょう。シンプルなユース ケース(定型文のメールなど)ならば、単語や語句の検索結果に基づいて、簡単なルールセットをプログラムしてロボットに処理を継続させることが可能な場合があります。しかし、多くの場合、このようなことをする余裕はないでしょう。そこで登場するのが自然言語処理(NLP)です。NLPを使えば、驚くほど簡単に最新のデジタル エコシステムをすぐに利用することができます。

Blue Prismは、Google、IBM Watson、Microsoft Cognitive Servicesなどの主要なクラウドAIプラットフォームや、Expert SystemsのCogitoなどのオンプレミス ソリューションを提供するその他のプラットフォームとの統合をサポートしています。今月、Blue Prismは構築済みの統合機能の包括的パッケージをリリースする予定です。これにより、ドラッグアンドドロップするだけで、これまでにないほど簡単に統合できるようになります。Blue Prismの統合機能を利用すれば、非構造化テキストのストリームを簡単に抽出し、さまざまな方法で処理することができます。この統合によって使用できる機能は主に次のとおりです。

  1. 翻訳 – 自動的に言語を特定して別の言語に翻訳する機能。
  2. エンティティの抽出と分類 – テキストのブロックから「エンティティ」またはキーフレーズを検索して、人の名前、場所、組織などの一般的なカテゴリに分類する機能。もっと高度な機能では、テキストに含まれる「意図」を検索することもできます。そうすることで初めてこの機能の真価が分かります。
  3. 感情分析 – 文やテキストのブロックから感情を特定する機能。

機能と長所はプラットフォームによってさまざまであることに注意してください。たとえば、Microsoft LUISサービスを使用すれば、きわめて容易にカスタムの言語理解モデルを構築できます。IBM Watsonでは、Watson Knowledge Studioと同様のことが可能ですが、Google APIではまだ不可能です(とはいえ、近い将来には可能になる見込みです)。一方で、Googleはコンピューター ビジョンの分野で優位に立っています。これは1つには、最近の進歩、すなわちGoogleの基礎的なイメージ認識モデルにAutoMLを応用したことによるものです。加えて、各プラットフォームの実装方法も異なります。Blue Prismのプラットフォームなら、容易に機能を選択してうまく組み合わせ、簡単かつ繰り返し可能な方法でお客様のプロセスに組み込むことができます。

このパッケージAIの品質は着実に向上しており、非常に大きな価値を提供できるでしょう。

お客様事例:当社パートナーのAvanadeでは、前述のような手法をうまく利用し、保険の請求や問い合わせに基づいて電子メールを自動で処理する、大規模な保険会社向けのソリューションを構築しました。Blue Prismでは、受信時に電子メールを収集し、Azure Text Analytics統合を利用して非構造化テキストの分析を実行します。

Blue Prismのインテリジェントな自動化で得られる知見、顧客体験の向上、業務改善

Blue Prismを利用すると、分析に基づいて、既存のサポート管理ツールで適切な詳細情報付きの新規サポート ケースを自動で作成することができます。お客様にはケースID付きの回答が届きます。このソリューションを活用すれば、統合プロジェクトに高いコストをかけることなく、プロセスのトランスフォーメーションが可能になり、デジタル化されたデータや顧客体験全体の向上についての知見を増やすことができます。インテリジェントな自動化により業務改善を目指すならば、このようなステップがその広範なロードマップの出発点になります。

デジタル トランスフォーメーションを経たビジネスの世界では知識と知見が重要です。このことを示している例をもう1つ検討してみましょう。その例とは、特定のビジネス言語の領域における意味と文脈を理解する能力です。たとえば、「ケース」という言葉を考えてみてください。この言葉は電子メールから旅行会社まで、文脈によってさまざまな意味を持ちます。「ケース」は休暇旅行中に紛失したスーツケースに関連する事柄を意味することがあります。保険会社宛の電子メールでは、保険の事案を意味することもあるでしょう。RPAツールやコグニティブ機能の重要な差別化要因は、文脈を理解する能力です。このような能力は、標準的な言語処理APIを利用しても(少なくともカスタムのモデルがなければ)十分に得られない場合があります。

Blue Prismのパートナー エコシステムは業界随一のものです。Blue Prismでは、標準的なNLPの機能をさらに専門的なモデルへと将来的に拡張できるように、AIパートナーと密に連携を図っています。業務別の言語理解モデルとともにデプロイ可能な、Expert SystemsCogitoとの統合は既に可能になっています。

お客様事例:ある大手保険会社では、Blue PrismとCogitoを併せて利用してケース処理ワークフローを合理化しています。統合型ソリューションを利用することで、複数の入力ストリーム内の非構造化テキストからキー エンティティ(たとえば、自動車の登録番号や健康問題の詳細など)を特定して抽出し、ケース処理プロセスの効率を高めることができます。

世界の人口の半数以上が現在使用している23の言語(ちなみに現在使われている言語は全部で6,909あります)を理解でき、テキストから意味と感情を的確に読み取れる人間の作業者がいるかどうか想像してみてください。ありえないでしょうか? そう多くはないことは確かでしょう。

将来のデジタル ワーカーは、どの言語も容易に理解し、目下のビジネス問題に関係のある意味をテキストから抽出して、最適な感情的反応を予測することができるようになるでしょう。

また、他の分散システムを参照して文脈情報をまとめ、あらゆるプロセスの処理をサポートしたり、必要に応じて人間の作業者にこのような情報を伝えたりすることも可能になるでしょう。

将来のデジタル ワーカーは人間に力を与え、デジタル トランスフォーメーションを経たビジネスの世界を広げていくでしょう。

未来は既にここにある。ただ平等に普及していないだけだ – William Gibson